紡々是好日

*ギフトお手当*産後ママと育児*日々の氣づき*マインドフルネス*無敵の世界を生きる*

父とのカルマ〜私のルーツを知る〜

私の父
 
父はバカがつくほど真面目で、責任感が強く、誰よりも人のことを想う人。
自分を犠牲にしてまで仕事するから、よく生気を失っている。
それでも仕事は一切妥協を許さず、そのため会社では摩擦も多い。
外食よりも母の手料理が好きで、服とかオシャレもこだわりがない。
家族が幸せに暮らし、兄弟三人とも大学まで卒業させてくれた偉大な人。
一人の人として、私は父を尊敬している。
 
松本に引っ越してくる前、父とよく喧嘩した。
お互いの考えや想い、生き方の違いがぶつかった。
 
仕事、家、お金、安定した暮らし。社会的、一般的、普通は…。
そんな言葉が父の口癖だ。
 
父はきっと私のことを想い、私の幸せを願って言ってくれた。
男として、一家の主として家族を養っていく責任。
父は父としての考えと想いを全力で伝えてくれた。
私も自分も歩む道を一歩も譲らなかった。
 
お互い譲らず、話し合いが激化した時に
『お前みたいに社会に出て人の役に立てない人間はダメな奴だ!』と言われ、
本心ではないにしろ、その言葉を聞いた瞬間”私”という存在自体を否定された気がして、
とても悲しくなった。苦しくなった。泣いて家を飛び出した。
 
それでも、私は私のやりたいことをやろうと思った。
自分の信念に嘘をついたら死んでるのと一緒だと思った。
 
そんな思いで、松本に移住してきた。
 
早く自分の事業を始めたい。
早く自分の目指す未来に近づきたい。
 
旅から帰ってきたばかりでお金もあまりなかったから
はじめは就職することが親の条件だった。
 
就職したが、やりがいは見出せなかった。
定期的な収入は入るが、なにも嬉しくなかった。
むしろ、自分の魂を削り、どんどん自分を失っていった。
私は半年で仕事を辞めた。
 
自分の想いとやりたいことに反していることはしたくなかった。
そうしてしまったら自分に嘘をついたダメな奴だと思った。
 
晴れて自分の整体院に本腰を入れれると思った。
はじめは自分でチラシやホームページを作ってみたり、
いろんなイベントに出店して頑張っていた。
 
いろんな手技療法も学んだ。
これをやれば繁盛するって集客法もリピート法も勉強した。
やってみたり作ってみたけど、どれもしっくりこなかった。
 
一番大事な魂が込もってなかった。
大切な心はどこかに忘れていた。
 
やりたかったはずの整体院。
楽しかったけど、どこか無理してた。
楽しくないって思ったらダメだと思った。
 
つらくても、弱音を吐けなかった。
弱音を吐いたらダメだと思った。
 
不安と焦りを感じでも、誰にも相談できなかった。
不安とか焦ってる自分がダメだと思った。
 
つらい、悲しい、不安、楽しくない、幸せと思えない
そんなことを思う自分を全部否定してた。
何もしてない自分を許すことができなかった。
 
そんな風に思ったら最低だって自分を責めた。
ダメな自分は全部許せなかった。
 
それでも頑張って続けてきた。
世界平和のために女性を支えることが、自分の使命。
それをできることが自分の喜びであり、やりがいであると信じ続けて。
がむしゃらに進み、もがきながらも時は過ぎた。
 
精神的にも体力的にも追い詰められた私は、無気力になり何もできなくなった。
何もしない時間の中でいろんな思いが駆け巡った。ふとした時に、私は気がついた。
 
私は、父に認めてもらうに頑張っていたんだ、と。
 
院を始めてから来てくれる人に感謝する一方で
もっと多くと、今の現状に全然満足できなかった。
 
家族がいて、家があって、食べるものがあって、温かい布団で寝れる。
そんな幸せな日々を、私は感じることができなかった。
 
それはきっと、父に認めてもらいたかったからだったんだ。
独立しても安定した収入を得ています。社会に貢献しています。
そんな父の求める”立派な人間”になり、認めてもらうために。
 
私は誰かのために、何か別の存在になろうとしていた。
ありのままの自分を否定し、ありのままの私を愛することができなくなっていた。
 
ワクワクしていたことが、がんじがらめになっていた。
自分のしたいことが、認めてもらうためになっていた。
目的が、”私の幸せ”ではなく、”父の承認”になっていた。
”使命”が”義務”になっていた。
 
そしてその後、ある人に言われた言葉がある。
あなたはね、本当はお父さんがやりたかったことをするために生まれてきたんだよ。
だから、あなたが夢を叶えることが、お父さんの夢を叶えることでもあるの。
あなたがやりたいことをすることが、お父さんの魂を癒すことでもあるの。
そしてそれは、お母さんやお兄さん、ご先祖様のためでもあるんだよ。
 
そう言われた時に、私は心から救われた気がした。涙が止まらなかった。
閉ざしていた感情が溢れ出た。私は私の人生を歩んでいいんだと。
 
何かわからなかった葛藤は、父への想いから生まれたものだったんだ。
自分の人生への想いのせいで、親を悲しませている気がして辛かった。
かといって親を安心させるために、自分の意志を尊重しないことも辛かった。
 
私はただ、愛する家族に幸せになってほしかっただけだったんだ。
そんな私の美しい想いに気付けて、私は私を許すことができた。
ダメだった自分を受け入れ、私はありのままの自分を愛することができた。
 
その時父に言われた言葉を再び思い出た。
父は心の底から私の幸せを願ってくれているんだと。
頭で理解するのではなく、心で感じることができた。
 
 
 
苦しみも、悲しみも、怒りも、嘆きも
すべては愛から生まれるものだった。
 
どんな感情も美しく、かけがえのない私の一部。
ぜんぶ大切な私の想い。すべて私だった。
 
母に、あんた落ち込んだ時お父さんにそっくりね〜って言われた。
不本意だけど、笑ってしまった。
そんな所も含めて、自分の信念を絶対に曲げない所とか、
自分に厳しい所とか、ばか正直な所とか似たんだと思う。
 
父の想い、言葉の奥にある深い意味は、私には計り知れない。
ただ、生きてる時代が違うだけで、根っこの部分は一緒なんだと思う。
 
私も家庭を持ち父になり、また多くの気づきと学びを得るだろう。
父の、あの時あの言葉の意味が、少しづつ理解できるようになれればいいな。
 
父と正直に話ができたことで、私は”私という存在”をより知ることができた。
世代を継ぐことで許し手放し、魂は癒され浄化していくのだろう。
私のルーツを知ることで、私の使命を知る。
 
今日はそんな家族のお話でした。
貴方たちのもとに生まれることができて、私は世界一の幸せ者です。
いつもたくさんの愛をありがとう。心からありがとう。
 

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